この日の幹事クラス交渉委員と人事院職員団体審議官との交渉で、審議官は一時金について「極めて厳しい」と述べるなど、情勢の厳しさを強調し、われわれの要求には応えない一方、較差がマイナスとなった場合には50歳台後半を狙い撃ちにした給与引下げを実施することを提案した。このため、公務員連絡会は50歳台後半の給与引下げ提案は断じて認められないとして撤回を求め、人員削減が進み厳しい労働条件の下で日々の業務運営に全力を尽くしている組合員の切実な要求に応えるよう強く迫った。また、同日開いた公務員連絡会企画調整・幹事合同会議で、50歳台後半層の給与引下げ提案に対して、はがき行動や全国統一行動を強めるとともに、8月上旬に予想される人事院勧告に対して、4日にも中央行動を配置し不退転の決意で人勧期の闘いを進めていく方針を決定した。
福岡県本部においても、まずは、取り組み中の「個人はがき行動」について、取り組み時期の前倒しをするなど強化を図り、3次に渡る中央行動に最大限の結集を行う方針を確認した。また、「50歳台後半層の給与引下げ(56歳以上一律カット)」の課題が、「万一この勧告が出された場合、職員の生活や志気へ与える影響が大変大きいこと」、かつ、「マイナス勧告の可能性が高く、その際は一律カットの提案を行うという人事院の姿勢が変わっていないこと」から、緊要の課題と位置づけ、組合員全員でこの課題の問題点と情勢に関する共有化をはかり、公務員連絡会の取り組みに全体で結集する体制を構築するため、7月27日第2次中央行動(第3次全国統一行動日)に連動して全単組緊急ビラ配布行動を実施することとした。
「50歳台後半層の給与引下げ
(56歳以上一律カット)」課題の論点 |
人事院の主張
| @ |
50歳台後半層については、公務の給与水準が民間を大きく上回り、その差が拡大する傾向が見られることから、早急に是正が必要。 |
| A |
従来の俸給表の改定において行ってきた方法(マイナス勧告の場合は高齢層の俸給額を大きく削減し、プラス勧告の場合は若年層にその原資を厚く充てる)では限界がある。従来の方法(給与のラインが年齢上昇に伴い下がることがない条件)で、56歳以上の俸給額を十分に下げるためには、50歳台前半からラインの見直しをしないと対応できないが、50歳台前半層までへの影響は極力避けたい。 |
| B |
よって、新たな方法として50歳台後半層の給与に一定率を乗じ引き下げるしかない。 |
| C |
今年度の官民格差がマイナスとなった場合は50歳台後半(具体的には56歳以上の職員)の給与の一律カットで対応。 |
組合側の主張
| @ |
高齢者給与の官民逆格差については、対応しなければならない。 |
| A |
しかし、50歳台後半層の給与を一率カットするという提案には、職務給原則や能力・実績主義との整合性がなく、定期昇給の仕組みと比べても、また、年齢差別となるのではないかという点でも大きな問題がある(「55歳の職員が一年間良好に勤務した結果、56歳になると一律賃金カットとなる」というのはおかしいのではないか)。 |
| B |
給与構造改革を実施し、給与のフラット化を図ったのに、何故民間との差が開いたのか(給与構造改革は失敗だったのか?)。民間で50歳台後半の給与が下がっているということだが、どのような理由で下がっているのかを含めたデータを示す必要がある。 |
| C |
勧告前のこの時期に「早急に対応する必要がある」といわれても、あまりに拙速だ。通常の手法を超えて特別の見直しが必要ならば、十分時間をかけて交渉・協議し、納得の上で進めるべき。資料も理由も示さないという提案の仕方、交渉の仕方に問題がある。 |
| D |
職場では、定員削減、新採抑制で超勤が増え、メンタルヘルス不調も増加しているし、給与構造改革で給与も下がっている。現場のモチベーションは下がるばかりだ。組合員には強い怒りがある。提案を撤回すべきだ。 |
若年層こそ影響大
今回の提案は、直接的には56歳以上の高齢層に対する見直しであるが、給与ラインの根本的見直しに繋がり、若年職員を含めた全員に関係する課題だ。一方で、年金支給年齢の繰上げにより65歳まで働かざるを得ない状況が近づいている。「これから20年ないし30年働き続け、56歳から賃金カットを受け、更に10年働き続ける」それが、働き甲斐をもって働き続けられる自分の将来像なのか、真剣に考えなければならない。課題の持つ意味を全組合員で理解して、全体の課題として取り組むことが重要である。
| 7/13人事院職員団体審議官交渉において示された中間的回答(概要) |
| 1. 勧告作業の実施状況について |
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勧告作業は例年のペースで進んでいるが、勧告日は未定。 |
| 2. 官民較差について |
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月例給については、マイナス較差になることも十分あり得る。
一時金については、昨年冬のマイナスが大きく、極めて厳しい。 |
| 3. 諸手当について |
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月60時間の時間外算定における日曜日等の取扱い及び1か月に45時間を超える時間外の割増賃金率について、民間の実態を調査中。 |
| 4. 給与構造改革終了後の検討事項等について |
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@ |
地域間給与配分の見直しについては、昨年に続き、本年も状況を公表。 |
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A |
勤務実績の給与への反映については、昨年4月から新たな人事評価制度を施行。活用状況のフォローアップを行い、必要に応じて見直しを検討。 |
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B |
50歳台後半層については、公務の給与水準が民間を大きく上回り、拡大傾向が見られることから、早急に是正が必要。 |
| 5. 労働諸条件の改善について |
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超過勤務の縮減については、各府省において、業務量の減、勤務時間管理、業務効率の向上が必要。政府全体として在庁時間縮減に取り組んでおり、状況は職員団体に提示。
1回の病気休暇の上限期間を連続90日の範囲内とする等、病気休暇制度の見直し。 |
| 6. 新たな高齢期雇用施策について |
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昨年報告した「定年年齢を平成25年度から段階的に65歳まで延長」の実施にむけ、年内に意見の申出ができるよう作業を進める。 |
| 7. 非常勤職員等の処遇改善について |
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日々雇用の非常勤職員については現行の制度を廃止し、最長1年間の任期を設定して任用する仕組みを新設。規則の制定前に職員団体の意見を聞く。見直しが現在の方向で確定した場合は、育児休業等について意見の申出を行う。 |
6月21日(月)
〜7月16日(金) |
個人要請はがき行動 |
| 6月22日(火) |
人事院総裁へ要求書提出 |
| 6月23日(水) |
第1次全国統一行動日 |
6月24日(木)
〜6月25日(金) |
人事院総裁宛の緊急文書行動 |
| 7月13日(火) |
人勧期7.13第1次中央行動
第2次全国統一行動日 |
| 7月27日(火) |
人勧期7.27第2次中央行動
第3次全国統一行動日(臨時県本部ニュース発行) |
| 8月4日(水) |
第3次中央行動 |
| 8月上旬 |
人事院勧告 |
| 勧告日翌日 |
第4次全国統一行動日 |
| 1998年 |
昇給停止年齢を55歳に引き下げ。 |
| 2005年 |
給与構造改革(地域給導入)に伴う給与カーブのフラット化(平均4.8%、中高齢層は7%の引き下げ)下図参照 55歳以上昇給停止は廃止し、昇給幅を半分程度に抑制。 |
| 2007年 |
官民格差0.35%を、初任給を中心に若年層に限定した俸給表改定に配分。 |
| 2009年 |
官民格差−0.22%を、若年層を除いた引き下げに配分。7級以上は平均を0.1%上回る引き下げ。 |
■2005年給与構造改革に伴う
給与カーブのフラット化