「卯」は縁起がいい

 卯はウサギ。素早い動きとジャンプ力が特技のウサギは、ことわざに「うさぎの上り坂」とあるように、良い方向に進む躍動感ある生き物です。このことから卯年は進歩のある年とされており、そのかわいらしい雰囲気も手伝ってウサギの縁起物は人気が高くなっています。また、家族で行動するウサギは家族愛を象徴する干支(えと)でもあります。これらのことから干支での「卯」の意味は、兎の穏やかな様子から家内安全、跳躍する姿から飛躍、とされています。
 卯年生まれの人は温厚な人が多く、人間関係を上手に築いていく優しい性格の持ち主と言われています。そしてその特徴は「温厚で従順」。ただし慎重で配慮が効く反面、先走りする傾向も。この点を注意すれば何事もうまくいくのでしょう。

卯年のある国
猫年のある国

 干支の由来は、神様への新年のあいさつに12匹の動物が集まり、その時の到着した順番に従って子丑寅卯辰…となったとされています。ただし、人間となじみが深い猫は日本の干支に入っていません。干支はアジアで共通して使われていることが多いのですが、中には猫年がある国もあります。タイやチベット、モンゴルの一部がそれ。猫年がある国では代わりにウサギが省かれています。それぞれの国によって十二支の動物は少しずつ違っているようです。

干支にはいろいろな意味がある

〈恵方〉
 その年のラッキー方位である「恵方(えほう)」「明きの方(あきのかた)」は、十干(じっかん)十二支の組み合わせによって決まります。2011年は「辛(かのと)」の年で、恵方は丙(ひのえ=巳(み)と午(うま)の間の方位で、やや東寄りの南)となります。
 恵方には、その年の福徳を司る神・歳徳神(としとくじん)が降臨することから、立春から節分までの一年間、さまざまなことに大吉とされています。

〈干支と月〉
 古代中国では、冬至を含む月(旧暦の11月)が年初めとされていました。そこで十二支の先頭である「子(ね)」が11月に割り当てられ、12月が「丑(うし)」、1月が「寅(とら)」…と巡ります。
 4番目となる「卯(う)」は2月に当たります。旧暦の2月は現在の暦でいえば3〜4月ごろ。ウサギはうららかな春が似合いますね。

〈方位にも干支〉
 方位も12分割し、それぞれに十二支が割り当てられました。先頭の「子」は北、北北東には「丑」、東北東に「寅」…という具合です。この順番で行くと「卯」の方位は東になります。

〈時刻の場合〉
 十二支は、時間にも配当されています。時代劇に登場する「子の刻」とか「丑三つ時」とかがそれに当たります。この時刻、1日を2時間ずつ12分割して干支を割り当てました。真夜中の0時を中心にした23時〜1時の「子」の刻から始まり、21時〜23時の「亥」の刻で一巡します。ウサギの「卯」の刻は、午前6時を中心にした5時〜7時です。
 さまざまな意味を持つ干支。最後に干支の置物の飾り方を紹介しましょう。
 干支の置物は家の南西、そして南西を背に飾るのがベスト。玄関先に飾る方も多いと思いますが、できれば床の間に飾ってほしいものです。


烏兎怱怱
(うとそうそう)
月日が流れるのは早いということ。中国では太陽には金の烏が住み、月には白玉の兎が住むということから烏は日、兎は月の意。そこから転じて「烏兎」は歳月を指す。

二兎を追う者は一兎をも得ず 2匹の兎を同時に捕まえようと追いかけても、結局1匹も捕まえられないことから、二つのことを同時にしようとしても、両方とも成功しないことのたとえ。

株を守りて兎を俟(ま)つ 木の切り株にぶつかって死んだ兎を労せずして手に入れた農夫が、それ以来、ひたすら切り株を見守り続けて国中の笑いものになったという話から、因習にとらわれて臨機応変にふるまえないこと、また、一向に進歩のないことを指す。

狡兔三窟
(こうとさんくつ)
うさぎは隠れる穴を三つ持っていて、生命が危なくなるとそのどれかに逃げ込んで身の安全をはかっていることから、危機に備えて身を守る用意をいつもしておくことのたとえ。

見兔放犬
(けんとほうけん)
狩りの時、兔を見つけてから犬を放って追わせても間に合う。転じて、失敗してから改めても決して遅すぎない、または物事を早くにあきらめてはいけないということ。

兎(うさぎ)の昼寝 ウサギが亀と競走して負けたのは、亀を馬鹿にして昼寝をしたためという童話から、油断をすると思わぬ失敗を招くことの意。また、昼寝ばかりする人のことを言う。

狡兎(こうと)死して
走狗(そうく)烹(に)らる
功績のあった部下でも利用価値がなくなるとあっさりと捨てられることのたとえ。すばしこい兎が死ねば、それを追う猟犬は不用となって煮て食われるように、敵国が滅びれば、いかに戦功のあった家臣でも邪魔になって殺されるということ。