自治労は、政府の地域主権戦略会議(鳩山首相が議長)の主要課題である「義務付け・枠付けの見直し」「基礎自治体への権限移譲」「一括交付金化」について、政府に要請と意見交換をするために各県本部に意見を求めた。これを受け福岡県本部は、次のような意見を各単組から取りまとめた。これらの意見は、3月末に自治労本部が集約し、自治労の考え方として取りまとめることになっている。


 全体を通して、今回の制度改革の方向は是とするものの、自治体の政策法務分野や情報コントロール分野、地方議会の議員力の向上や議会運営システムなどを確立してからのステップとしなければ、依然として他の自治体の模倣や独善的な対応等で混乱が生じる可能性がある、という内容に集約することができる。

 個別の課題に対する意見は次のとおり(抜粋)

義務付け、枠付けの見直し(施設等の基準、国等の関与、計画等の義務付け)
道路や水道、下水道などの施設について、他の自治体との連結の必要が生じるケースの取り扱い基準が必要ではないか。(例:県境を跨ぐ市町村道の連結など)
公営住宅入居基準の収入に係る部分は、近接する自治体間での居住者の移動に影響し、また、県の施設と市の施設で入居基準が異なる状態が生じることで、住民への混乱が起きる可能性がある。
計画の義務付けの見直し(廃止等)という観点では、環境や社会福祉、人権、男女共同参画等については、自治体の政策として比較的後回しにされる可能性が高い。国民へ同レベルの公共サービスを提供するためには何らかの対策が必要。また、地方分権改革推進委員会に対する厚生労働省の対応方針で「従うべき基準」とされた保育・介護・福祉における施設についての最低基準の改善を図るべき。
市町村がこれまで国と行っていた協議が、県と協議を行うケースも出てくると思われる。市町村と県が対等に協議できる機関の設置とシステム構成が必要である。
 
補助金の一括交付金化について
補助金申請にかかる事務量が膨大で、一括交付金化されれば事務の軽減が見込める。このため一括交付金から除く補助金は限定的にすべき。一方で教育や福祉分野での最低基準に関わるものは補助金として残すべき。
災害復旧に係る補助金は一括交付金化すべきでない。
現行の補助金総額は確保すべき(財源保障すべき)。
配分については、小規模自治体への配慮がされるべき。
自治体は補助申請に係る事務は減るが、財政・企画・法制執務などの部門は強化していく必要がある。ただ、規模の小さい自治体は人員面から考えても対応が厳しいことも想定される。
2010年度より前倒しで一括交付金化される国土交通省関連の「まちづくり交付金」「社会資本整備総合交付金」については複数年にまたがる事業であり、継続事業については交付金として財源保障すべき。現在、一括交付金の制度内容が検討されているが、制度内容が早く示されなければ事業に着手できない。また、総合交付金として政策目的別に4分野が設定されているが、分野間の流用は困難との見解が現時点で示されており、使いやすさとしては疑問だ。

鳩山首相と 高木連合会長の政労会見(9月17日)
原口総務相に要求書を手交する徳永委員長(10月28日)