事例に学ぶハラスメント防止の極
その3

暴言を繰り返した市幹部が
懲戒処分となった例

 神戸市の部長級幹部(50)が、部下の職員5人に暴言を繰り返し、市から訓戒処分を受けた。市によると、幹部は06年10月から07年8月にかけ、40〜50歳代の課長級職員3人と係長級職員2人に対し、「窓から飛び降りろ」「給料の無駄じゃ」「退職願を書け」などの暴言を繰り返した。幹部は、それぞれ異なった時期に5人に厳しい業務上のノルマを課し、達成されないと、職員を深夜1時ごろまで職場に残してののしったという。昨年11月、職員の1人が当時の市監察室に相談して発覚し、市は幹部を3月21日付で訓戒処分にした。

(平成20年5月・共同通信ほかより抜粋)


【相談員のコメント】

パワハラは、セクハラとは異なり、加害行為が業務上の指示や指導といった形で行われることが多いため、「仕事熱心な上司が熱意のあまりにやったこと」とか「昔はもっと厳しかった。これくらいは当たり前」などと加害行為が正当化されたり、「仕事ができない部下に問題がある」「最近の若い者は打たれ弱い」などと被害者が非難されたりすることがよくあります。しかし、問題となるパワハラ行為は、この事例のようにもっと悪質で被害も大きいのです。この例ではとくに長期にわたって暴言を繰り返しています。相手がダメージを受けていることがわかっているのに、暴言を繰り返すのは意図的で悪質な加害行為です。その結果、うつ病などの重篤な被害が出ています。

ただ、このようなタイプの行為者は、相手が苦しんでいることに気づかなかったり、自分のやり方が正しいと信じ込んでいたりします。メンタルヘルスケアという点からも早めに上司や産業医等に相談し、それとなく注意をしてもらったり、被害者若しくは加害者の配置換えを考慮してもらったりするなど、被害回避の方策を取るようにしましょう。