事例に学ぶハラスメント防止の極
その1

〜鳥取三洋電機の場合〜

 鳥取三洋電機(現在は三洋電機コンシューマエレクトロニクス)は鳥取県内では大企業である。ここに勤務する女性従業員(51歳)が、平成18年ごろ会社内の不正を上司に相談したところ、人事担当者に呼び出され、「会社のやることを妨害するなら辞めてもらう」などと女性を大声で罵倒した。
 その後、担当上司が女性に「自己研鑽」として社内規定を約1週間精読するよう指示、さらに「清掃でもして頭を冷やしてください」と清掃会社への出向を命じた。
 平成19年4月、会社と人事担当の上司2名を相手に約800万円の損害賠償を求めた。平成20年5月、鳥取地裁で、職場でパワーハラスメント(パワハラ)があったと認め、300万円の支払いを命じる判決が出された。
 裁判官は判決理由で、人事担当者らが大声で非難した行為について、「優越的地位に乗じて女性を心理的に追い詰めたパワハラ」だとした。また、担当者らが女性の出向先に勤務評価を低くするよう求め、給料を一方的に減額するなどしたことを「組織的な嫌がらせ」と指摘し、会社の使用者責任も認めた。


【相談員のコメント】

パワハラ被害で会社の使用者責任まで認めた判決は画期的と言えるでしょう。

内部告発はリスクの高い行為です。組織内の規則(公益通報窓口など)などをよく知っておくことが必要です。あらかじめ弁護士や労組などに相談することも考慮すると良いでしょう。

上司に呼び出されるなど加害行為が予想される場面では、(1)一人では行かない(2)一人になりそうな場合、一対一になりそうな場合には、録音機器などを用意して記録を残すようにする、(3)辞職を迫られたりしてもその場では回答しない。できるだけその場を立ち去るようにする。など、被害を大きくしない工夫をしましょう。