派遣先の企業に職場環境の改善を求めて苦情を言った後、派遣契約を一方的に打ち切られたのは不当だとして、大阪府に住む元派遣社員のYさんが派遣先の企業T社と人材派遣会社E社に慰謝料と契約解除後の給与の支払いを求める訴訟を大阪地裁に起こした。
訴状によると、Yさんは05年9月、E社からT社の事業所に派遣され、機器の検査業務に就いた。約1年後、職場の照明が暗くて作業がやりにくいことや、頭髪が薄いことを社員にからかわれたことについて、E社の上司らに苦情を言ったが、改善されなかった。
昨年9月、「仕事量の減少」を理由に派遣契約を解除された。両社の対応について、快適な就業環境の維持に努めるよう企業に義務づけた労働者派遣法に違反すると主張している。
【相談員のコメント】
●職場におけるハラスメントは、セクハラであれパワハラであれ、職務上の立場を利用して行われます。この事件も派遣社員という弱い立場の人間を、まず正社員がからかう、という嫌がらせに始まり、苦情をいうとさらに人事権を持った上司が実質的な解雇をするという二重の被害になっています。解雇ということになれば、ハラスメント行為では済まない問題です。最近の職場は、多様な雇用形態が混在しています。管理職は、単に上司部下という上下関係だけでなく、多様な力関係が働いていることに配慮することが必要です。
●苦情を申し立てる人を、「職場の和を乱すクレーマー」と見なして、苦情を無視したり、排除したりすることがよくあります。それは、被害をより大きくし、解決を長引かせることになります。苦情には真摯に迅速に対応することが大切です。