ぼくが中央合唱団研究生になったのは、高校を出てすぐだった。6カ月後に研究生を修了して団員に。研究生でも合唱団でも、ぼくは最年少だった。「うたごえ喫茶」を知らぬ世代も多かろうが、その成立の前提には「うたごえ運動」の存在があった。中央合唱団は、そのうたごえ運動の中核体・推進体だった。以来ずうっと労働者の音楽を中心にすえて活動をつづけてきたが、いつのまにやら、いろいろな場面・さまざまなグループのなかで最年長となっていた。
大まかに最年少・最年長とくくるぐらいで、相手がいくつかなど年齢にはあまりこだわらないのだが、作家大江健三郎・指揮者小澤征爾が同い年と知るとなにかしらうれしくなったりはした。 今度この本で、おなじ1935年生まれに、脚本家倉本聰・タレント美輪明宏・ジャーナリスト筑紫哲也・野球野村克也・女優朝丘雪路らがいることを知った。なんとなし「ふーん」の思いがある。みな、たいしたもの。それにくらべて、などとは思わぬ。
この本、『事典』というだけあって、経歴紹介をはぶいてとにかく年ごとに「同い年」の人名を並べている。1900年〜1990年まで1年につき2ページで56人ずつ。91年・92年・93年以降の3ページは25人ずつ。自分と同じ年のページをひらいてもいい。自分とおなじ干支(えと)を12年ごとにめくってもいい。入学・卒業・就職・結婚など、自分の記念年のページをあたってもいい。いろいろな楽しみ方があることだろう。数年前、ぼくの『かあさんの歌』に触れての番組で野口五郎といっしょになった。これは1956年の作品。「ぼくの生まれた年だ」と五郎ちゃんがいった。『事典』によればこの年は、俳優役所広司・女優大地真央・俳優竹中直人・タレント島田紳助・シンガーソングライター長渕剛・野球石毛宏典などなど。(窪田聡)