日本人にとっての「赤」という色。遥(はる)かむかし、茜草(あかねぐさ)の根で赤色を染める技術が生まれるまでは、赤土の泥に浸すか、血を塗る以外「赤」を得る方法はありませんでした。人々はこの茜(あかね)色=緋(ひ)色=赤色を手にしたいと切望していたといいます。
 人の一生は「赤ちゃん」に始まり、折々に赤飯や鯛(たい)のお頭つきで祝儀を行い、願い事をお地蔵さんの赤いヨダレかけや帽子で表わしてきました。次第に失われつつある風景ではありますが、人々の思いが赤という色に託されていたように思えます。また、赤は魔よけの色ともされ、人々の祈りとともに在りました。
 あらゆるハレの場に君臨してきたのが「赤」という色。最近では「赤い腹巻き」「赤い下着」が強運を得るとか得ないとか・・・。