月はかた時も離れず、近づかず遍在しています。手のひらにすくった水にも影を宿すとらえがたい不可思議な存在として、古くから神格化されてきました。月に関する信仰や神話伝承は、死と再生、豊饒(ほうじょう)や多産などのシンボルとして世界中に存在します。日本では、「雪月花」「花鳥風月」のように、四季にあるシンボルを読み解こうとした日本固有の季節感が見えてきます。月の満ち欠けさえ、三日月、五日月、上弦の月、十日月、満月、下弦の月などさまざま。いかに月と人が深く結びついていたか、語彙(ごい)の中からも見えてきます。十五夜の月見、十七夜、十八夜、日本には月待の行事がたくさんあります。

 秋の夜、たまには美しい月とゆったり語り合うのもいいですね。